フェリックスが妻の妊娠を知って二か月近くが過ぎた。現在、四か月目に入ったヨゼフィーネだが、体調が良いこともあって、普段と変わらない生活を送っている。
(フィーネにとって、妊娠が精神的にも肉体的にも負担になるのでは?)とかなり心配していたフェリックスだが、今のところ順調な様子に一安心していた。そんなある日、義兄のアルフォンスがフェリックスの執務室にやってきた。
「やあ、フィーネの調子はどうだい?」
「大丈夫だ!だが、あまりにも調子がいいものだから、士官学校でもドタバタと走り回っているような気がして、そっちの方が心配だよ。お腹が大きくなってくれば、フィーネも少しは妊婦である事を自覚するんだろうけれど・・・。見ている俺の方が、胃が痛くなるときがあるよ」
夫の心配をよそに、ヨゼフィーネの方は活動的に動き回っているようだ。
「はは、やっぱり今回は大丈夫だったろう!だが、油断は禁物だよ。ルイーゼはヨーゼフを妊娠中、俺のじいさんの看病や葬式とかあって頑張り過ぎた。自分の体の事は二の次になっていたのに、俺も二人目という事もあって、最初のテオのときよりルイーゼに気を配っていなかった。結局、疲れが溜まっていたルイーゼは、ヨーゼフを産んだとき、大騒動になった。覚えているかい?」
「そういえば、そうだった・・・。あのとき、フィーネが慌てて君を迎えにきたんだったな・・・」
当時、皇帝アレクの警護でフェザーン郊外の森にいたフェリックスとアルフォンスに、ヨゼフィーネが姉の一大事を知らせにきたのだった。
「あの日だって、出勤前は普段と変わらない様子だったのに、いきなり母子ともに危険な状態になった。本当に妊娠やお産は、何があるかわからないよ・・・。特にルイーゼは、夢中になると周りが見えなくなるくらいのめり込む傾向があるからね。思い込みも激しい方だし・・・それで、俺はいつも振り回される」
「フィーネだって、同じだよ!そういう血筋なのかな・・・」
二人とも無言であったが、お互い頷きながら目で肯定し合う。
「フィーネは士官学校で年頃の男子学生に囲まれて仕事している分、気をつかって大変だと思うよ。気が張っていると自分では疲れが自覚しづらいから、こっちで気を配ってあげないと!家では、出来るだけリラックスさせるようにしたほうがいいよ!」
「判った。心掛けるよ」
同じような性格の妊婦と過ごしてきた先輩のアドバイスを、フェリックスが素直に受け取る。
「只、俺にすれば、目が届かない職場でのフィーネの行動の方が気になるところだが・・・」
「まあ、うちの親父は、俺の母親やルイーゼを見てきた分、妊婦に対して理解はある方だと思うよ・・・」
アルフォンスの言葉にフェリックスが頷く。
「うん、その点ではワーレン元帥が学長で、俺も助かっている。何かあるとルイーゼに、すぐ連絡が入るだろうし・・・」
「その親父だが・・・うちの親父、士官学校の学長になってから、少し変わった感じがしないかい?」
不意にアルフォンスが、意味ありげにフェリックスに訊いてきた。
「ワーレン元帥が?・・・どんなふうにだい?」
アルフォンスの質問を不思議に思ったフェリックスが、逆に訊き返す。
「若返ったというか・・・士官学校の学長になってから、結構その傾向はあったんだが、最近特に元気が良すぎる。・・・まるで第二の青春時代を過ごしているかのようだ・・・」
「はは、毎日、学生を相手にしているから、その影響じゃないか?若いもんのエネルギーを吸い取っているんだろう・・・」
深刻な話かと思ったフェリックスが、拍子抜けしたように笑って話す。しかし、アルフォンスは更に真面目な顔になって伝えた。
「実は親父から、『紹介したい女性<ひと>がいるから、ルイーゼと一緒に逢って欲しい・・・』って言われたんだ・・・」
「えっ、それって・・・もしかして・・・恋人?!」
「いや~、まさかとは思うが・・・。君の方で、フィーネから、うちの親父が誰かと付き合っているとか、そんな噂を耳にしていないかい?」
「いや、特には・・・」
「そうか・・・。まあ、紹介したい女性<ひと>と言っても、親父が付き合っている相手とは限らないんだけど、チョット気になって・・・」
「ワーレン学長は、あれで結構意外性があるからなぁ~。一応独身なんだし・・・」
「確かに士官学校の学長になってからは、後援会やら記念パーティーとかで交流関係が広がっているし、今まで縁がなかった御婦人達とも出会う機会が増えているようだ。でも、あの歳まで独身を貫いた堅物親父が、いまさら結婚するとは思えないが・・・」
小さな溜息を付いたアルフォンスが、フェリックスに自分の気持ちを打ち明けた。
「いろいろ考えると、何だか逢うのは気が重いよ・・・」
「アルフォンスらしくないな~。考えすぎかもよ!とにかく、その女性に逢った後の結果を教えてくれ!楽しみにしているよ」
フェリックスは少し茶化して、アルフォンスの気分を和らげる。
いつもはアルフォンスに慰められるフェリックスという関係の二人だが、今回は珍しく逆になったようである。
数日後、ワーレンが自宅に女性のお客様を連れてきた。
「アルフォンス、ルイーゼ、紹介しよう!こちらが士官学校の医務室の教官、ゲーテル少佐だ!」
「あら、ゲーテル少佐!お噂は妹から聞いています。いつも、ヨゼフィーネがお世話になっております・・・」
ルイーゼの反応に、ワーレンが尋ねる。
「おや、ルイーゼはスーザンの事、知っていたのか?」
「フィーネからお話だけは・・・。でも、お逢いするのは今回が初めてです」
「そうか。お前たち、ヨゼフィーネの事が心配だろうから、スーザンとは知り合いになっていた方が何かといいだろうと思って、連れてきたんだ!」
スーザンを自宅に招待した理由を明かすワーレンに、アルフォンスもルイーゼも驚いた。
「親父、俺達の為に・・・」
「まぁ、ありがとうございます」
ワーレンが恋人でも連れてくるのかと思っていた夫婦はその勘違いを恥じ、そして父親の自分たちへの思いやりに感謝した。
「初めまして!どうぞ、スーザンとお呼びください」
「こちらこそ、初めまして!私たちの方も、名前で呼んでくださいね。こちらまで御足労頂いて、ありがとうございます」
ワーレン夫妻がスーザンを歓迎し、四人で和やかにテーブルを囲む。
「妹さんのご懐妊、おめでとうございます」
「ありがとうございます。ヨゼフィーネが何かと皆さんにお迷惑を掛けていますが、よろしくお願いします」
妹が世話になっているスーザンに、ルイーゼが姉として礼を言う。
「そのように恐縮されては、私としてはチョット言い出しにくいんのですが・・・」
「何でしょう?」
アルフォンスとルイーゼが不思議そうに顔を見合わせ、スーザンの次の言葉を待った。ワーレンはお茶を啜りながら、含み笑いで成り行きを見守っている。
「私は士官学校の教官として、今回のフィーネの妊娠を歓迎しています。男子学生が妊婦と接する事は、女性を理解する上でいいきっかけになると思っています。そして、私の方も、以前からの念願があって、この機会を利用したいと考えている野心家ですし・・・」
スーザンはそう言うと<銀河帝国軍・軍服に関する規則改正案>と題名がある企画書を取り出して、二人の前に差し出した。
「アルフォンスは現役の軍人ですからご存じかと思いますが、我が帝国軍の軍服には、妊婦服はありません。妊娠した女性軍人は、軍服が着られなくなると公式行事には出席できませんので、大抵は目立たない部署へ転属させられることが多いのです。ですので、所属を変わりたくない者は、大きめの軍服を着たりして、いろいろ工夫して産休に入るまでを乗り切っています」
「まあ、それでは大変でしょう。妊娠も後期に入ると全体的にふっくらしてきますし、お腹だってかなり目だってくるのに・・・」
妊娠した女性軍人の実情を知ったルイーゼが、自身の経験からその大変さを配慮する。
「ええ、この企画も、今まで何度も申請してきました。上司によってはその場でボツにされたり、例え本部迄企画が通っても<対象とする女性が少ないので予算化は無理!>ということで却下される状態が続いています。それで今回は、フィーネの姉であるルイーゼ、あなたの力をお借りしたいのです・・・」
「私の力?」
ルイーゼが意外な事で目を丸くした。
「ええ、ルイーゼは皇妃さまと親しいと聞いていますので・・・」
スーザンが言い終わらないうちに、彼女がマリアンヌの力を借りたいと思い込んだルイーゼが、すぐさま伝えた。
「あら、皇妃さまは政治や軍務には関わらない方針で、今まで過ごしていらっしゃっているから・・・」
マリアンヌの生き方を知っているルイーゼは、申し訳なさそうに断りの意思を示した。しかし、スーザンはルイーゼのそのお思い込みを訂正して、更に踏み込んだ。
「いえ、この企画書は、<皇妃さまから皇太后さまにお見せ頂きたい・・・>と考えております。何しろ、皇太后さまご自身も、昔は女性軍人として軍服を身に纏っていらっしゃったお方です。しかも、今までの女性軍人では、最高位の幕僚総監を務めた経歴もお持ちです。だからこそ、是非、この企画書をご覧になって欲しいのです。そして、賛同していただけるのであれば、何か一言添えて貰いたいと私は期待しています。この企画書に、皇太后さまからの御墨付きがあれば、軍の上層部の受け入れ方も変わってくるでしょうし・・・」
「なるほど・・・」
ルイーゼは思わず感心してしまった。確かに皇太后ヒルダの言葉は、軍全体にも政治にも大きな影響力を持っているだろう。スーザンの方法が合理的かつ効果的な事に納得し、自身のすぐ思い込んでしまういつもの癖を反省した。
「それと、この件はフィーネには内緒で進めることにします。彼女はお父上のビッテンフェルト元帥の影響なのか、特別扱いされる事をとても嫌がりますから・・・。勿論、フェリックスにも内緒です。彼の隠し事は、妻であるフィーネにすぐ判ってしまうでしょう。それにいつものように、この企画自体、本部からまた却下される可能性も高いですし・・・」
今までの経験から、<ロイエンタール夫妻にぬか喜びさせてしまわないように!>と用心するスーザンであったが、希望は捨ててはないらしく目の前の夫妻に訴えた。
「只、今回は、ワーレン夫人の方から妊娠した妹の為に動いたという形にしてもらえれば、企画自体は同じ内容でも、違うルートからの要請になりますので、今までのようにすぐ却下されず、少しは検討してもらえるのでは!と期待をしているのです」
更にスーザンが、力強くルイーゼを説得する。
「七元帥であるビッテンフェルト元帥の娘で、陛下の側近のロイエンタール夫人でもあるフィーネの妊娠がきっかけで、この企画が軍本部に認められれば、軍の制服規定は改正されます。フィーネにとっては不本意な形で進められる改正になるかもしれませんが、彼女の後ろ盾を利用させて頂きます。コネであろうが、命令であろうが、妊婦用の軍服が出来れば、後に続く女性軍人の為になる事ですから・・・」
<後に続く女性軍人の為・・・>というスーザンの考えに、ルイーゼが共感する。
「ええ、そうです!これはとても意義がある事だと思います。私も協力をします!なんでも遠慮なく仰ってください!」
スーザンの方針に、ルイーゼも妹のヨゼフィーネと同じように感動し、『彼女に協力したい・・・』と思うのであった。
そんなふうに意気投合した部下と嫁を見て、ワーレンも満足そうに頷いていた。
それから数日後、フェリックスはアルフォンスから、興味津々に結果を訊きだした。
「君の親父さんが連れてきた女性は、どうだった?」
「うん、ルイーゼと気が合って、二人で盛り上がっていた・・・」
「ルイーゼと?」
「まあ、年も近いし・・・」
「えっ?」
(六十過ぎの初老の男のお相手が、ルイーゼと同じくらいの年?・・・ワーレン元帥、意外とやるじゃん!)
そこまで話した時点で、アルフォンスはスーザンに『軍服の件は、ロイエンタール夫妻にはまだ内緒で・・・』と言われたことを思い出した。
「それで、どんな女性だったんだ?」
フィリックスに問われたアルフォンスが、慌てて誤魔化す。
「いや、その~おとなしい感じだったかな?本格的に決まったら、君にもちゃんと報告するから・・・」
アルフォンスの焦った様子に、フェリックスもそれ以上何も訊けなくなった。
「そうか?・・・そういう事なら待つよ」
(本格的?という事は、結婚が正式に決まってからという事かな?)
フェリックスは、珍しくぎこちないアルフォンスの様子から、<ワーレンの結婚話が進んでいる!>そう思い込んでしまった。
スーザンの申請した<銀河帝国軍・軍服に関する規則改正案>という企画書は、ルイーゼからマリアンヌを通って、ヒルダに紹介された。<ローエングラム王朝の育ての親>と言われるヒルダの目に留まったその企画は、すぐさま軍の上層部に渡った。
<わが帝国軍には、男女の区別はあっても、差別があってはならない!女性軍人が結婚しても、安心して仕事を続け、出産後も当たり前に職場復帰できる組織である事を、帝国軍の誇りとしてほしい!>という皇太后ヒルダの鶴の一声が、軍上層部を動かし、女性軍人の軍服に妊婦服が追加されることが正式に決まった。
企画が正式に採用されたことを受け、スーザンがルイーゼの元に報告に来ていた。
「さすが、皇太后さまだわ」
「ええ、本当に!『男女の区別はあっても、差別があってはならない!』って仰った皇太后さまの言葉を、軍全体に浸透させたいものだわ!」
二人で皇太后ヒルダの聡明さを称えあう。
「でもこれは、まだまだ第一歩よ!これから、男性軍人による育児参加の支援とか軍管轄の保育園や学童施設の充実など目指すことはたくさんあるわ。でも、今回の妊婦服が認められた事は、今後の女性軍人の進出に、大きな役割を果たすわ・・・」
嬉しそうに話すスーザンの今後の計画を、アルフォンスも頼もしそうに聞いている。そんな中、呼ばれていたロイエンタール夫妻がワーレン邸にやってきた。
何も聞かされていなかったヨゼフィーネが、スーザンの顔を見て驚いた。
「あら、スーザン、どうしたの?ここに居るなんて・・・」
「実はこの間、学長から自宅に招かれて、息子さん夫婦を紹介してもらったのよ」
スーザンのこの言葉に、フェリクスが思わず反応した。
「えっ、ワーレン元帥の結婚相手って、スーザン、君だったのかい?」
フェリックスの驚く声に、アルフォンスはお茶を吹きだし、ルイーゼも焦って咳込んでいる。そして、スーザンやヨゼフィーネは(何それ!?)といった顔で、フェリックスを見つめる。
アルフォンスが慌ててフェリックスに説明する。
「フェリックス!誤解だ!あれは俺の勘違いで、親父がスーザンを連れてきた理由は別にあったんだ!!」
その様子に、ルイーゼが夫を責める。
「あなた、あの事、フェリックスに話していたの?しかも勘違いだったってこと、訂正していないなんて!!」
「だって、軍服の件は、正式に決まるまで、フェリックス達には内緒にしておこうって話だったし・・・」
ワーレン夫妻の慌てるやりとりの後、アルフォンスがスーザンに恐縮して謝る。
「スーザン、申し訳ない。俺の言い方が悪くて、フェリックスが勘違いしてしまったんだ!気を悪くしないで欲しい!」
ワーレン夫妻の焦った姿に、誤解が生じていたことを察したスーザンが、にこやかに笑いながら伝える。
「アルフォンス、事情は判ったわ・・・。大丈夫、気にしていないから。それより、お父上に謝ったほうがいいかも!ワーレン学長は、亡くなった奥様一筋だから、あなた方の心配は無用よ!」
この空気の中で事情が見えてきたヨゼフィーネが、スーザンに謝る。
「スーザン、ごめんなさい。フェリックスが変な勘違いをしてしまって・・・」
フェリックスも自分の勘違いに気が付き、すぐさまスーザンに謝る。
「済まん、スーザン。俺は、とんでもない思い違いをしていたようだ・・・」
「別にいいのよ!こういう事ってフェリックスらしくて笑えるから・・・。でも、誤解が解けたんだから、みんなこの事は、もう終わりにしましょう!それより、この新しく採用された軍服を見て頂戴!」
スーザンが新しく出来た妊婦用の軍服を、ロイエンタール夫妻に披露する。
「あら、素敵!」
ヨゼフィーネが新しく採用された妊婦用の軍服を見て、思わず声を上げた。
「そうでしょう!妊婦服の定番のジャンバースカートも可愛いけど、今の軍服をアレンジした丈の短いこの上着が素敵でしょう。これなら座ってるだけなら妊婦には見えないし、お腹も目立たないと思うわ!」
「これ、格好いいと思うよ!」
社交界をよく知り、服装のセンスに関しても目が肥えているフェリックスも、その軍服の良さを認める。
「ありがとうフェリックス。私が申請した企画書では、デザイン画はジャンバースカートだけだったけれど、皇妃さまと皇太后さまが相談してこんな素敵な上着を付け足してくださったのよ!」
「まあ、皇妃さまと皇太后さまが?」
意外な顔をしたヨゼフィーネに、スーザンが事情を話す。
「今回の企画の申請は、ルイーゼの力を借りたわ。だから軍本部には、この企画書を見た皇太后さまから直々のお声がけがあったの・・・。フィーネの嫌いな特別扱いになってしまったけれど・・・」
申し訳なさそうな顔になったスーザンに、ヨゼフィーネがにこやかに告げた。
「でも、使うのは私だけじゃないのでしょう?スーザンも姉さんも、これから赤ちゃんを産む女性軍人の為に頑張ったのよね・・・。二人ともありがとう!」
スーザンとルイーゼがお互い顔を見合わせて、ほっとしたように微笑んだ。そして、スーザンがヨゼフィーネに知らせる。
「この軍服の支給は、五か月目に入ってからなの。対象者はいるから、妊婦服の出番はもうスタートしているのよ。フィーネにも、あと少しで支給されるからね」
「よかった~。お腹が大きくなったら、フェリックスの軍服を手直しして着ようと思っていたの。でも、フェリックスは細いから、ウェストが合わなくなったら父上の軍服のお下がりかなぁ~って考えていた・・・」
「父上のお腹も、妊婦みたいになっていたしね・・・」
ルイーゼの言葉に、皆、少しお腹が出ていたビッテンフェルトの軍服姿を思い出し、爆笑した。そんな中、先ほどのスーザンの言葉が引っ掛かっていたフェリックスは、周囲にばれない様に一人悶々と考え込むのであった。
(『俺らしいと笑える・・・』って、スーザンの俺に対する認識って、どうなっているのだろう・・・)
<END>
~後日談~
新たな妊婦用の軍服が追加された事をきっかけに、女性軍人の妊娠が増えてしまった。
妊娠後も支障なく軍人生活を送れるといった安心感もさることながら、素敵な妊婦用の軍服を着てみたいといった気持ちが沸き起こった事も、隠れた理由の一つになったようだ。
~あとがき~
スーザンをルイーゼに紹介して、皇妃、皇太后を通して、企画を軍本部に認めさせた作戦は、ワーレンによるものでした~
ヨゼフィーネの妊娠とスーザンの長年の努力を上手く組み合わせて、女性軍人の為に妊婦服をゲットしました。
息子夫婦や部下達の為に考えた効果的な作戦は、結果的に女性軍人の素敵な贈り物になりました♪
尚、ルイーゼがヨーゼフの産んだときの大騒動は、「啐啄<そったく>(1)」に書かれている出来事です。