シフトロッド・エンド交換


 最近、ギアチェンジをする度に、シフトアップ時やシフトダウン時のシフトペダルの節度感が感じられなくなってきた。そのためシフトリンクを点検すると、シフトアームに圧入されている純正のピロボールに摩耗によると思われるガタ付きが見られ、そろそろ交換時期と判断した。
 ピロボールの交換に際しては、シフトアームと一体になった新品の純正部品を注文すれば済むわけだが、今回は汎用のピロボールを取り付けて、ノーマル以上に気持ちのよいシフトフィールを目指した。
 用意したMTR(宮本鉄工)製の汎用のピロボールエンド(給油タイプ、M6、メス型)。他のメーカーとしては、NMB(ミネベア)、IKO(日本トムソン)、THK等のピロボールが一般に入手可能。

【追記】
 その後、ユニクロメッキのMTR製から、クロメートメッキのTHK製ピロボールエンドPHS6(給油タイプ、M6、メス型)に変更。
 84年式のGSX1100SEの解体車から取り外したシフトリンク一式。汎用のピロボールエンドを取り付けるためには、この中古パーツのシフトアームのみが必要になる。 
 上記の中古パーツのシフトアーム。アニバーサリーや国内仕様の予めピロボールが圧入されているタイプのシフトアームとは異なり、ナットを外せば、シフトアームからピロボールを簡単に分離することができる。
 国内仕様SR(左)と輸出仕様SEのシフトアーム(右)を並べて比べた様子。シフトアーム自体の形状はまったく同じだった。
 シフトアーム側に汎用ピロボールエンドを取り付けると、従来のシフトロッドでは長すぎて、チェンジペダルの高さ調整が調整範囲を越えて思うようにできなくなってしまう。そのため、予備で持っていたヨシムラのシフトロッド(ステンレス製)を近所の機械整備工場に持っていき、旋盤を使って10ミリ短くしてもらい、新たにネジを切ってもらった。
 SEのシフトアームに汎用ピロボールエンドをステン製のキャップボルトとセルフロックナットを使って取り付け、シフトロッドとつないだ様子。
 シフトペダル側には、以前からヨシムラのステップKITに付属していたTHK製の汎用ピロボールエンドPOS6L(給油タイプ、M6左ネジ、オス型)を取り付けてあるので、今回は交換する必要はなかった。
 ピロボールを取り付け、さっそく試乗してみると、シフト操作時にしっかりとした節度感が戻り、期待どおりの結果になった。

 私のカタナは、購入当初から2速から3速にシフトがフル加速時に入りづらい傾向があった。しかし、てっきりミッション内部の不具合だと思っていたものが、今回シフトアームをピロボール化したことにより、あっさりと改善され、スパッ!と一発でシフトチェンジが決まるようになった。
 今回のピロボールエンドの取り付けは、かかった手間や費用以上の効果が十分に得られるものであった。