電 装




 国内仕様SRは、最高出力のメーカー自主規制や排ガス対策の関係で、デジタル式の点火ユニットが取り付けられている。しかし、アナログ式の点火方式の輸出車と比較すると、低速トルクがなく、高回転での振動が大きい上に、回転の頭打ちも早くなる。
 そこで、秋田のチロさんからの紹介で、「SBSみやぎの」というショップからガバナー方式のアナログ点火ユニット一式を取り寄せて装着した。取り付けは、標準のデジタル式点火ユニットを取り外して付け換えるのみ。取り付け後に走ってみた感想は、ゴリゴリしたズ太いトルク感と高回転までスムーズに持続するパワー感がハッキリと体感できた。国内仕様SRに乗っている方は、マフラーや足回りを交換するよりも、最初に点火ユニットをアナログ式に交換することえをお勧めする。
 点火ユニットをアナログ式にするためには、イグナイタもそれ用の物に交換する必要がある。当初はGSX750Sカタナの古い中古イグナイタを取り付けていたが、新品の1100用イグナイタが格安で入手できたので、現在はそちらを使用している。外観はまったく違う部品であるが、性能的には同じなので、安く済ますためには750用の中古部品を探して取り付けてもよいと思う。
 シグナルジェネレータとメインハーネスとの接続にあたっては、どちらも配線を加工してカプラーを付け換える必要がある。なお、メインハーネスの桃色の配線はギアのポジションスイッチにつながる配線なので、アナログ式のイグナイタと接続する必要はない。


(使用パーツ)
・スズキ純正/33110-45110 シグナル、ジェネレータASSY
・ 〃     /33120-49210 ガバナASSY、アドバンス
・ 〃     /33371-45100 プレート、タイミング
・ 〃     /01107-08658 ボルト
・ 〃     /33465-47000 ワッシャ
・ 〃     /32900-45120 イグナイタユニット(1100用、写真左)
・ 〃     /32900-45411 イグナイタユニット(750用、写真右)
 ヨシムラのスロットルホルダーの取り付けにともなって、右側のスイッチを薄型の物に換える必要が生じた。一般的にはヤマハのOW-01用のスイッチが用いられるが、あえてスズキのキットパーツと同じデザインであるDR800S用のスイッチを探して取り付けた。このスイッチはスタータースイッチやキルスイッチの他に、ヘッドライトやポジションランプのスイッチも組み込まれている優れものである。もともとヘッドライトスイッチがない国内仕様SRにこのスイッチを組み込むためには、スイッチ内部の配線加工と左スイッチASSYのヘッドライトの配線にリレーを組み込む必要があり、ちょっと面倒だ。配線に関する知識のない方はカタナ用に配線加工されたOW-01のスイッチを取り付ける方が手間がかからなくてよいと思う。

(使用パーツ)
・スズキ純正/37200-31D01 スイッチASSY、ハンドル、レフト(DR800S用)
 一時期流行したアーシングという作業を施してみた。少しでも効果があるように、バッテリーのマイナス端子からシリンダーヘッドカバーへ2カ所、イグニッッション・コイル取付部へ2カ所、セルモーター取付部へ1カ所の計5カ所に極太の配線をつないでみた。
 しかし、効果はまったく体感できなかった。取り付けていても無意味な配線なので、次回タンクを外す機会があるときには、このアーシングの配線を撤去する予定。バッテリーが弱っているバイクには、エンジンのかかりがよくなるなどの効果はあるかもしれないが、メンテナンスの行き届いたバイクにはまったく必要ないと思う。

  ヘッドライトを解体車から取り外したマルチリフレクターに交換してみた。取り付けは、フロントカウルを外して標準のヘッドライトと交換するのみ。
 しかし、見た目にはいかにもヘッドライトを交換したという感じのドレスアップ効果はあるかもしれないが、同じ白色バルブを用いた場合は標準のヘッドライトの明るさや配光との変化が感じられないか、またはかえって暗くも感じられる。したがって、上記のアーシングと同様に無意味なパーツであると思う。夜間に走行することはまずないので、現在はイエローバルブを入れて、昼間の四輪車からの視認性アップのために使用している。
 どうしてもこれを付けたいという方は、郊外にある自動車の解体屋に行って、86レビン&トレノ、180SX、FC3Sを探してみるといい。どこの解体屋にも、1台や2台は峠で事故ったこれらの車があるはずだ。四輪の走り屋たちにとっても装着率の高い流行のパーツなので、見つかる可能性が大である。運がよければ、タダ同然で解体屋のオヤジから貰える。


(使用パーツ)
・スタンレー/RH05 RAYBRICマルチリフレクターヘッドランプ(クリアー)
 立ちゴケに備えて、フロントカウルのウインカーを定番のシビックタイプに交換した。カウル形状の関係で、ウインカー付属の両面テープではうまく固定できなかったので、ドリルでカウルに穴を開けて、付属のビスで固定した。カタナのウインカーのワット数は12V23Wであるが、通常のバルブはウインカーレンズ内に収まらないため、W数が同じでも小形ピース球を入れる必要がある。

(使用パーツ)
・南海部品/ナンカイ シビックカウリングランプ(アンバー)
 カタナのリアウインカーの形状は決して嫌いではなかったが、ヨシムラのUPタイプマフラーの装着にあたって、サイレンサーとリアウインカーの接触を避けるために、リアウインカーを小型の物に交換する必要があった。
 ヨシムラ指定のウインカーサイズは、縦36ミリ×横70ミリ×厚み55ミリ以下。南海部品のカタログにこれとまったく同じサイズのウインカーがあったので、ウインカーステーを使って取り付けた。このウインカーも23Wの小型ピース球を入れる必要がある。


(使用部品)
・南海部品/ナンカイ ウインカーランプ BMミニ(黄)
・  〃     ウインカーステーM840(黒)30*45*8
 国内仕様SRのスピードメーターは最高速度の表示が180qになっている。見た目重視で最高速度240qの逆車のメーターに交換しようと考えていたが、TNKから最高速度が320qまで表示されたオリジナル・メーターが発売された。モニター価格で購入できたため、逆車の純正メーターよりも大幅に安手に入れることができた。取り付けはもちろんボルトオンだった。

(使用パーツ)
・TNKエンジニアリング/オリジナル320qメーター(黒)
 エンジンオイルの油温管理のために油温計を取り付けた。取り付けた物は、もちろん定番であるヨシムラ製デジタルマルチテンプメーター。専用センサーにつないで、トップブリッジに取り付けた。
 油温表示はもちろん、電圧表示や時刻表示もされるので、エンジン始動時のバッテリーの状態やツーリング時の時刻確認に非常に便利である。メインスイッチをONにしたときに電源が入り、かつ正確な電圧が表示できるように、タンク下のクラッチ・アシストモーターのリレーからメーターのプラス電源を取った。


(使用パーツ)
・ヨシムラ/415-002-1000 デジタルマルチテンプメーターKIT(Aタイプセンサー同梱)
 カタナには月に2〜3回しか乗る機会がないので、バッテリーの状態を良好に保つためにトリクル充電器を購入した。充電器自体はアルプス電器製であるが、同じ物がデイトナ、オートクラフト、ACデルコなどから様々な商品名で販売されている。自分はヤマハ発動機から「バッテリーキーパー」という名称で販売されている物を購入した。ヤマハの物を購入したのは、他のメーカーではオプション扱いとなっている防水カプラーと専用の接続コードが標準で付属しているにもかかわらず、他のメーカーよりもトータルで安く購入できたため。付属の防水カプラーをバッテリーにつないで車体に固定し、いつでもワンタッチ配線で充電器につなげるようにした。(画像参照)
 ただし、本来バイクに乗らないときはトリクル充電器をつないだままでいいはずだが、冬季間気温が氷点下になる車庫の中での充電は、バッテリーの寿命を著しく低下させることになる。したがって、冬季保管時はバッテリーをバイクから取り外し、ボイラー室の中でこの充電器につないでいる。


(使用用品)
・ヤマハ純正/YSK-001-Y30 バッテリーキーパー