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17インチ化で使用するチェーンはRKの530サイズ。これはUWリング採用の幅の狭いタイプのシールチェーンで、本来はレース用である。 |
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チェーンラインを計測するために用いたのは530サイズのドライブスプロケットで、丁数は17T。付属の5ミリ厚のスペーサーをスプロケットの内側に入れることで、スプロケットを5ミリオフセットさせることができる。 |
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チェーンラインの計測用に用いたリアのドリブンスプロケット。これはサンスター製の旧タイプのジュラルミンスプロケットで、丁数は45T。これは以前にタダ同然で手に入れた中古品だが、状態がよく、歯がほとんど減っていない。 |
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手っ取り早くチェーンラインを確保するために、神戸ユニコーン製の加工済みのスプロケットハブを購入した。GSF1200の純正部品(スズキ純正品番64610-46E10)のスプロケット取付面を約6.5ミリ旋盤により切除したもので、ベアリングもシールタイプの物に交換されている。スプロケットを固定する6本のボルトは、純正よりも短いボルト(強度10.9、M10−P1.25ボルトの六角を削った汎用品)が付属されていた。 |
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仮組みを終えたチェーンとスプロケット。取りあえずフロントスプロケットをシムとスペーサーにより計6ミリ外側にオフセットさせてみたが、チェーンが斜めに張られ、ドライブスプロケットのオフセット量をさらに増やす必要があった。また、チェーンとリアサスペンションのクリアランスは約1ミリしかなく、走行時にチェーンとリアサスが干渉することは間違いない状態だった。(この問題の対処は別ページにて。) |
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届いたサンスター製のオフセットスプロケット。オフセット量は7ミリ。 |
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ドライブスプロケットの本組みに必要な新品のショートパーツ。 |
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本組み用の、新しいデザインのドリブンスプロケット。 |
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パーツを取り付ける前のドライブシャフト。 |
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まずは0.9ミリ厚のスラストワッシャ(スズキ純正品番08211-25321)をドライブシャフトにセットした。ドライブスプロケットの内側にこのスラストワッシャを入れることで、スプロケットのオフセット量を約1ミリ単位で微調整することができる。 |
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次に7ミリオフセットされたドライブスプロケットをドライブシャフトにセットする。先に取り付けた約1ミリ厚のスラストワッシャと合わせて、これでドライブスプロケットを合計で8ミリオフセットさせたことになる。 |
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530サイズのドライブスプロケットには5.0ミリ厚のスペーサー(スズキ純正品番27519-45201)を取り付け、630サイズのスプロケットとの厚みの違いを調整する。 |
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スペーサーの上にロックワッシャーをセットする。 |
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最後にロックナットを取り付ける。 |
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ロックナットの締め付けは、インパクトレンチを使用する。締め付け後にロックワッシャの爪を折り曲げてドライブスプロケットの交換は完了した。 |
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チェーンラインを出した様子。。チェーンとフレーム、リアサスペンション(対策済み)のクリアランスが保たれる状態になった。 |
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今回の作業の中でのチェーンのカシメには、南海部品から出されているこのチェーンツールを使った。耐久性には少し難がありそうだが、チェーン交換を自分で行う場合は、この工具で十分に作業できる。 |
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【追記】その後、フル補強した別のフレームに交換したところ、バッチリ合わせたはずのチェーンラインが1.5ミリ程度車体外側にズレてしまった。おそらくフレームの個体差によって、エンジン搭載位置が微妙にズレたか、またはスイングアームのピボットシャフト取付部のセンターがズレためであると思われる。 |
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つまり、ドリブンスプロケットの位置を外側に1.5ミリ移動させる.ことによって、チェーンラインのズレを1.5+1.5=3.0ミリに増やし、そのズレを現在よりも3ミリオフセットが大きいドライブスプロケットによって一挙に解消しようとするわけだ。 画像はオフセット10ミリのドライブスプロケットに交換した様子。回り止めのワッシャーとロックナットはもちろん新品を使用した。 |
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上記のチェーンラインの再設定にあたっては、神戸ユニコーン製の加工済みスプロケットハブ(品番10139)とドリブンスプロケットとの間にスペーサー(1.5ミリ厚)を入れてチェーンラインを出していた。しかし、中古のGSF1200用スプロケットハブが手に入ったので、これを旋盤加工して、スペーサーを使用せずにチェーンラインを出せるようにした。 |
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加工から戻ってきたスプロケットハブ。上記のスプロケットハブのスプロケット取付部の座面を旋盤加工により切除した状態。幸いにして鋳造時に発生する”ス”が出ることなく、上手く加工できたようだ。 |
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旋盤によるスプロケット座面の切除量は▲5.0ミリ。ただし、この数字はあくまでも参考数値であって、車輌の個体差によって±数ミリの違いが出てくる。加工に出す前には、何度かの仮組みによる検証と測定を慎重に行って、最適な数値を加工業者に指示する必要がある。 |
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中古のスプロケットハブに付いてきたベアリングには若干のガタがあったので、新品のベアリングに交換した。純正のスプロケットハブにはノンシールタイプのベアリングとオイルシールが取り付けられているが、今回はオイルシールを取り去り、接触型の両面シールタイプのベアリングを取り付けることにした。 |
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汎用のベアリングインストーラーを使ってスプロケットハブにベアリングを慎重に打ち込む。”カッキーン”という音が聞こえることで、ベアリングがハブの底まで打ち込まれたことがわかる。 |
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ベアリングの打ち込みが終わったスプロケットハブ。 |
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スプロケット取付ボルトは、GSX1100Sの短い取付ボルトを使い、ナットのみGSF1200のロックナットを使う。座面を旋盤加工したGSF1200のスプロケットハブには、GSF1200の長い取付ボルトではスプロケットを固定することができないため。 |
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中古のGSFホイールに付属してきた消耗品であるハブダンパーには傷や変形が見られたので、ハブダンパー6個すべてを新品に交換した。部品代は約3千円。 |
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車輌にホイールを取り付けた状態。 |
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再度設定し直したチェーンライン。タイヤとチェーンの間隔は約4.5ミリ、チェーンとリアショックの間隔は約7.5ミリ。仮走行の結果、走行時のチェーンとタイヤの接触はなくなり、リアショック、フレームとの干渉もない。 |
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トルクロッドとタイヤとの間隔は約3ミリで、こちらも干渉の心配はないが、180/55-17サイズの極太タイヤを装着するためには、リアブレーキを変更し、このトルクロッドを取り外すことが必要。 |