スカチューン



 中古で入手したステンレス製のバッテリーBOX。ヨシムラ1135Rのように、バッテリーBOXや電装パーツをシート下に移設して、今流行の”スカチューン”(要するにシート座面下に何もパーツを付けずにフレームを「スカスカ」にするという、意味のない改造)を施すためのパーツ。ハヤブサ用のMFバッテリー(YT12A-BS)を収めるサイズで、ナットをシートフレームに溶接して、キャブレター後方にバッテリーを取り付ける。

(使用パーツ)
・ペガサス/MFバッテリー用ケース
 フレーム(シートレール)にバッテリーBOXを固定するためのナットを溶接してバッテリーBOXをつり下げた状態。
 バッテリーBOX上部をM8のボルト2本で固定し、下部を元々フレームにある標準のバッテリーBOXを固定するためのステー(アングル)で支えるので、バッテリー自体の重さに耐えられるだけの強度は十分にあると思う。バッテリーの脱着時は、このバッテリーBOXを付けたままバッテリーを取り外す必要がある。
 リアブレーキ・マスターシリンダーの移設。リザーブタンクを車体横から見ても見えない補強プレートの裏側に移動させた。

(使用パーツ)
・スズキ純正/69740-38B31  タンクアッシ、リザーバー(GSF1200用)
 特注で製作していただいたアルミ製フェンダーレスKIT。ヨシムラ1135Rのように、シート下に電装パーツを移植するための物だ。
 取り付けに関してはこのように上手く収まるのだが、その後に重大な問題点が発生した。電装パーツを収めるトレイ部分の深さを約5センチに指定して製作してもらったのだが、フルバンプ時にトレイの底板がリアタイヤと接触する可能性がある。現在、リヤタイヤを17インチに小径化するとともに、自由長が標準よりも20ミリ長いレース用のリアショック(ヨシムラSGS355A)とレイダウン化により、ノーマルのカタナよりも約5センチ程度リアの車高が上がっているにも関わらず、トレイとタイヤ間のスペースには余裕がない。
 もう一つの問題点は、トレイが車体前方斜めに取り付けるもう1枚のパネルで仕切られるため、この状態でシートを取り付けると、電装パーツの格納部が密閉に近い状態になり、空気が流れがなくなる。そうなると、レギュレーター本体から発生する熱を外部に逃がすことができずに、レギュレーターがパンクして故障することが予想される。
 これらの問題を解決するために、友人がこのフェンダーレスKITに改良を施してくれた。
 特注のフェンダーレスKITを各パネルごとにバラバラに切り離し、トレイの深さが約2センチになるように再度リベットを使用して接合してくれた。この状態ではヒューズBOXがトレイより約3センチ上に突き出ることになるが、TNK製テールアップKITを取り付けているため、シート下部とヒューズBOXとの間のスペースにはまだまだ余裕がある。こんな面倒な加工をわずか30分足らずでやってのける友人の器用さは流石だ。加工屋MHさんに心より感謝!(奥さんにもヨロシク!)
 イグナイターやヒューズBOXの延長ハーネス製作して、改良版フェンダーレスKIに電装パーツを移動させた状態。ヨシムラ1135Rのように、各電装品シート下にうまく収めることができた。
 シート下に移設した電装パーツは、左から@イグナイターユニットAヒューズBOXBレギュレーターCウインカーリレーの4個の部品だ。なお、セルモーターリレーは、バッテリーから近い位置に設置するためにバッテリー前方の丸フレームにタイラップを用いて固定した。
 雨天の走行に備えて、フェンダーレスKIT前方パネルの下にトラック用のマッドフラップの残材を切って作った泥よけを取り付けた。
 フェンダーレスKITを後方下側から見た様子。フェンダーレスKITの電装パーツ取り付けトレイの底板には電装パーツの固定に用いたボルトを留めるフランジナットが多数ある。しかし、トレイの底板とリアタイヤとの間にこれだけの間隔があれば、フルバンプ時であってもタイヤがトレイの底板やナットに接触する恐れはない。なお、トレイの底板前方に空いている9個の大きな穴は、その上に固定されているレギュレーターから発生する熱を逃がすためのに空けられたもの。
 バッテリーBOXにMFバッテリー(YT12A−BS)を取り付けた状態。画像のように、車体の反対側が見えるほど、シートの座面下はスカスカになった。
 以上で”スカチューン”は作業終了。手間がかかる割には、見た目だけの効果しかない無意味な改造(改悪)。