フレーム交換



 フレーム交換やエンジン塗装をする前の状態。シルバーフレーム&シルバーエンジンのカタナも、本来のカタナらしくて捨てがたい気がするのだが・・・。
 作業1日目。仕事の休みがやっと取れたので、フレーム交換作業を開始した。まずは外装パーツを外し、前後ブレーキ、前後足まわり、左右バックステップ、電装部品とハーネス、キャブレターとマフラー、オイルクーラーなど、各パーツを順次取り外していった。
 取り外した各パーツをセクションごとに分類しながら床に並べ、後の組み立て作業に備えた。
 エンジン以外、すべてのパーツを取り外したフレーム。ここまで外すのに約3時間。残るはエンジンを取り外すのみ。エンジンマウントのボルトを緩めて、このまま車体右側の床に敷いた古い布団の上に横倒しにした。そしてマウントボルトを車体左側から抜いて、エンジンからフレームを取り外した。
 フレームから取り外したエンジン。エンジン下部を塗装するのためにフトンの上でひっくり返した状態。
 エンジンを取り外し、不要になった国内仕様SR(GU76A)のフレーム。作業1日目はこれで終了。
 作業2日目。フル補強が施された強化フレームに塗装後のエンジンを載せた状態。エンジンを横に寝かせたままで、エンジンを取り外したときの逆の要領で、フレームをエンジンにはめ合わせてマウントボルト取り付けた。エンジンとフレームを組み合わせる作業は、知恵の輪といった感じ。その後フレームを引き起こして、前後の足を取り付けるためにジャッキアップした。フレームにエンジンを取り付けるときは、せっかく塗装してもらったフレームに傷が付かないように、水道ホースを縦に切ったものやエアーパッキンを各パイプに予め巻いて行った。
 上下のステムベアリングとベアリングレースを新品に打ち換え、グリースをタップリと塗ってフロントの足周りを組み立てた。フロントフォークは内部の偏摩耗を防ぐため、取り外す前の位置から90°回転させて取り付けた。
 フロントフォークの突き出し量は10ミリとし、フォーク長を約790ミリに設定した。その後スイングアームを取り付け、リアの足周りを組み立てた。
 作業3日目。前後のホイールとブレーキが取り付けられ、車体を移動させることができるようになった。
 作業4日目。この日は電装パーツの取り付けに取りかかる。スカチューンを行うため、フェンダーレスKITを取り付けたり、電装パーツをシート下に移設するための延長ハーネスを作ったりと、かなりの時間を費やした。
 最後の作業は、外装パーツの取り付け。フレームとエンジンの色に合わせて、シートも今まで使っていたブルー&ライトグレーのSDのシートから、ヨシムラ1135Rと同じシート素材で張り替えられたオールブラックのシートに交換した。
 作業4日目の夕方。一通りパーツの取り付けが終了し、フレーム交換がほぼ終了した状態。フレームとエンジンの色をシルバーからブラックに変更したことにより、今までとはかなり雰囲気が変わって、レーシーな感じになった。
 
しかし、ここまで完成しても、まだ走り出すことができない。理由は、フレームを交換したために車体番号が変わり、前のフレームで登録したナンバープレートをそのまま取り付けて走ることができないから。
 作業(手続き)5日目。この日は、新しいナンバープレートを取得するために、まず自賠責保険に加入してから市役所に行って仮ナンバーを取得。それをフレームを交換したカタナに取り付け、自宅から約10分の距離にある地元の陸運支局まで自走。そして、フル補強を施した中古フレームの廃車証と譲渡証明書を提出して、中古車としての新規検査を受けた。ステップフレームが切り落とされているので、当然1名乗車の形で検査を受けることになるのだが、この場合は乗車定員の変更による構造変更検査となり、通常の継続検査と同じ検査内容の他に、車体の寸法測定と重量測定が加わる。
 午前中に受けた検査では保安基準を満たしていないところが1カ所あるということで検査不合格になったが、下記のように改善したことにより、午後に受けた再検査では無事に検査票に合格印をもらうことができた。あとは陸運支局の窓口に書類提出するのみ。待たされること30分、新しいフレームでのナンバーが取得できた。交付された車検証には乗車定員が1名と記され(@)、それにともなって車輌総重量も1名分の55sが減らされている(A)。また、構造変更によって形式指定番号と類別区分番号が備考欄に別途記載された(B・C)。
 ナンバープレートを取得したことにより、フレームを交換したこのカタナで公道を堂々と走行することができるようになった。
 
 午前中の最初の検査で不具合を指摘された部分は、ヨシムラのオイルキャッチタンクを取り付けために、シフトパターン(5432N1)の表示がなくなったということ。「そんなもの見ながらバイクに乗れるわけないじゃん!」と検査官に言ったものの、まったく埒があかない。
 いったん自宅に戻り、娘が持っているテプラを使ってシフトパターンのシールを作り、それをキャッチタンク側面に貼り付けて再検査に臨んだら、今度はOKをもらえた。ちなみにガムテープを貼って、それにマジックでシフトパターンを書いても同じようなものだが、検査官に尋ねると、それでは保安基準を満たしていることにはならないとのこと。どうしてテプラはよくて、ガムテープはダメなのだろうか?