マラトンの戦いの日の推定

home English
2023.3.2

1. Marathonの戦いの日を推定できる史料中の記述
(1) Persiansは、the sixth day of the month of BoedromionにGreeksに敗れた。[Plut.Cami.19]
(2) Persiansは満月を待っていた。[Suda.pi.214]
(3) 伝令が2日目にSpartaに着いたのは、月の9日であった。[Herod.6.106]
(4) Persiansの騎兵が撤退したのを見たMiltiadesが戦端を開いた。[Suda.chi.444]
(5) Spartansは、満月の後、Athensに到着。Spartaを出発して3日目。[Herod.6.120]

2. Marathonの戦いの日
NASAなどのWebサイトに掲載されている歴史的日食の一覧によれば、BC480年10月2日に日食があったことが判明していることから、その日は新月であったことが分かる。[https://eclipse.gsfc.nasa.gov/SEhistory/SEhistory.html]
この日から遡って、現在の暦の9月とされるBoedromion月の満月を月の満ち欠けの周期を、29.53日として計算すると、つぎのようになる。

BC480.10.2(新月)から15日目は、BC480.10.17(満月)
閏年(BC480, 484, 488) BC480.10.17 - BC490.9.17 (日数 365 * 10 + 3 + 30 = 3683)
3683 / 29.53 = 124.72062 ----- 29.53 * 125 = 3691.25 = 3691= BC490.9.9(満月)

Atheniansの伝令がSpartaからAthensに帰着したのは、月齢11の日であった。
Persiansは満月を待っていたので、戦いは月齢15の日より前であった。
したがって、戦いは月齢12から14の間の日と推定される。
しかし、Atheniansは戦端を開く機会を狙っていたことから、戦いは満月の前の日と推定される。
以上のことから、Marathonの戦いの日は、BC490年9月8日と推定される。

おわり