緩 衝 装 置




 フロントには、以前から憧れていた41ΦのヨシムラSHOWAフォークを入れた。ヨシムラのNK-1レーサーなどにも使われていたフォークで、現在でも受注生産の形で販売されている。
 フォーク長は801.5ミリだ。カタナの縦安性を保つためには最低800ミリの長さのフォークが必要とされているが、このフォークはその基準をクリアーしている。したがって、GSX-RやGSFのフォークを流用したときに必要となる延長キットを入れる必要はない。最近の製品は、公道での使用も考慮されてダストシールが追加されている。フォークキャップにはスプリングのイニシャル調整ナットとフォーク内部を大気圧と同じ気圧に保つためのバルブが付いている。フォークスプリングをカタナの車重に合わせて、オーリンズ製のカワサキGPZ900Rの物に交換するとともに、ワンオフ製作のスタビライザーを介して取り付けた。
 しかしながら、このフォークを取り付けるためには、アクスルシャフト、キャリパーサポート、スタビライザーのワンオフ製作とホイールのセンター出し作業が必要となり、手間と出費がかさむので、決してお薦めはできない。アドバンテージなどから販売されているSHOWA製フォークを取り付けた方が手間と費用がかからないと思う。

(使用パーツ)
・ヨシムラ  /610-191-4100 41パイ、SHOWAフロントフォーク
・オーリンズ/8841-01  フォークスプリング(GPZ900R用)

(消耗パーツ)
・ヨシムラ /611-410-4150  SPLオイルシール
・  〃   /611-410-4160  ダストシール(オプション)




 上記のフォークと組み合わせたのは、'85GSX750RGのトップブリッジとアンダーステム(オフセット35ミリ)、そしてハンドルバーだ。トップブリッジのメーターステー取り付け穴の加工やアンダーステムのハンドルストッパーの追加、ハンドルロック穴の加工は当然施してある。上下のベアリングとダストシールはカタナの純正部品がそのまま使えるが、ベアリングは取り付け時に新品に交換しておいた。
 GSX1100Rの三つ又は750に比べてオフセット量が少ないので、前後18インチの良好なハンドリングを得るためには、この750の部品を流用した方がいいらしい。
  
(使用パーツ)
・スズキ純正/51311-27A00-291 ステムヘッド、ステアリング(GSX750RG)
・ 〃     /51410-27A10 ステム、ステアリング(GSX750RG)
・ 〃     /51353-28A10 ナット(GSX750RH)
・ 〃     /51356-24B01 ワッシャ(GSX750RH)
・ 〃     /51631-28000 ナット、ステアリングステム(GSX750RG)
・ 〃     /56111-27A11 ハンドルバー、ライト(GSX750RG)
・ 〃     /56151-27A11 ハンドルバー、レフト(GSX750RG) 
・ 〃     /09265-30009 ベアリング 30*55*17(GSX1100SR)
・ 〃     /09265-25019 ベアリング 25*47*15(GSX1100SR)
・ 〃     /51643-40502 ダストシール 33.5*59*12(GSX1100SR)

 リアショックをヨシムラKYBに交換した。イニシャルと伸側減衰力がそれぞれ4段階に調整できる。現行型のショックはスイングアーム取付部がアルミ削り出しになっており、ヨシムラでオーバーホールしてもらうことができるが、旧型(スイングアーム側がメッキされた鉄製)はヨシムラではオーバーホールを受け付けてもらえない。カタナ用のリアショックを中古で入手するときは注意が必要だ。

(使用パーツ)
・ヨシムラ/630-220-3351 KYBリアサスペンションSGS335B
 YRP製のレイダウンキットを取り付けた。取り付け直後、それまでよりもリアサスがしなやかに動くような感じがした。強度的には不安のあるパーツだが、これを取り付けたままでも何故か車検に合格してしてしまった。多分、検査官が気づかなかったのだと思う。従来は各車種用の設定があたっが、現在はほとんどの車種に使用できるように汎用化されている。

(使用パーツ)
・YRPレーシング/010-001-2008  レイダウンKIT(汎用)
 ノーマルの頼りなさそうなスイングアームをOVERレーシング製のスタビライザー付きの物に交換した。スイングアームの全長はノーマルと同じで、トルクロッドの受けもノーマルと同じ位置に溶接されている。ただし、スイングアーム左右の幅が8ミリほど広がっているので、取り付けにあたってはM20のスペーサー(汎用のワッシャで可)でホイールのセンターを調整する必要があった。ブレーキホースのクランプがないので、タイラップを使ってトルクロッドにブレーキホースを固定した。
  他車の純正スイングアームを加工してカタナに取り付けた場合は、初期型の'85GSX750RGやGSF1200のスイングアームを使ったとしても、ピボットシャフト〜アクスルシャフト間の距離がノーマルよりも長くなってしまう。したがって、ただでさえロングホイールベースのカタナに他車のスイングアームを流用することは操安の面では改悪になる。したがって、交換するのであれば、各メーカーから販売されているカタナ専用品を取り付けた方がいいと思う。

(使用パーツ)
・OVERレーシング/52-60-03  刀用スイングアームTYPE3

 前後18インチ化のために交換したホイールはマルケジーニ製のマグネシウムホイール3Rで、サイズはF:2.75-18、R:4.00-18だ。別にダイマグでもよかったが、たまたまマルケジーニが格安で手に入った。当初はGSX1100RJの3本スポークのホイールも検討したが、ホイールの重量がカタナのノーマルホイールとほとんど変わらないので、選択肢から除外した。
 カタナ専用品のマルケジーニやダイマグは、本来ポン付けできる設計になっている。しかし、フロントフォークをヨシムラSHOWAに交換したことにより、アクスルシャフト径が15ミリ→17ミリに変わり、フロントホイールのベアリング打ち換えやディスタンスカラーの製作が必要になった。詳しくは別ページで紹介する。
 リアホイールは、スプロケット側に付く専用スペーサーを用いてポン付けでホイールセンターが出るようになっている。
 当初はBS製のバイアスBT45Vを履かせていたが、現在はメッツラー製のラジアルME-Z1を前後に履かせている。タイヤサイズはF:110/80-18、R:150/70-18だ。
 リアホイールに150幅サイズのタイヤを装着したときは、タイヤがトルクロッドに干渉するので、トルクロッドの加工、または交換が必要になる。

(使用パーツ)
・マルケジーニ/キャスティングホイール/3R(パールホワイト)




 タイヤをメッツラーのラジアルに交換してから、80〜90qのスピードで走行しているときにハンドルから軽く手を離すと、ステアリングが左右に小刻みに振れる「シミー現象」が発生するようになった。ホイールバランスを取ったり、ステアリングステムの増し締めをしてみたが一向に改善されなかった。(問題はタイヤにあるようだ。)
 そこで、やむを得ず本来の使用目的とは異なるが、ステアリングダンパーを取り付けてステアリングの振れを抑えた。ヨシムラSHOWA製のフロントフォークの使用によって、フォーク径がノーマルの37ミリ→41ミリに太くなったので、フォークブラケットは手持ちのNSR250R用を使って取り付けた。現在ステアリングダンパーの調整ダイアルは最弱にしてあるので、ハンドリングに違和感を感じることはない。

(使用パーツ)
・RCエンジニアリング/20-16-316 ステアリングダンパーキットODM3090