電脳写真散歩タイトル
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吉井酒造煉瓦倉庫

弘前の吉野町にあるこの倉庫、ふだんはひっそりと少し荒れた感じのたたずまいがノスタルジックで、人を拒む感じもちょっとするのですが、時々イベントの会場になることがあって、その時は往時の賑わいがふっとよみがえるようでこの倉庫の鼓動も聞こえる気がするのです。
こういう赤レンガの倉庫の内部をきれいに改装してショッピングモールになっているのも確かに素敵ですが、ここで催されるイベントの時はなるべく中の雰囲気をこわさずにレイアウトするのがコンセプトのようで、入ったとたんに微かに香る酒麹の匂いや古い古い水色のタイル、部屋の隅の暗がりの濃さ、すべてが時の流れを止め、難なくスルリと異空間に入りこむことができます。

この度は、現代美術界の異才、奈良美智の「From the Depth of My Drawers」展をここで鑑賞しましたが、彼の時空をとびこえた作品群がさらにこの空間を息づかせ、鋭い感性・ひらめきとともに練りに練られた配置の妙を目の当たりにしました。


 

2005年5月10日撮影

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